インドの思い出

前の夜行列車の思い出の続き。ニューデリーから夜行列車でウダイプールへの移動です。
深夜の駅に停車したときの事。その時間は2時間ほどか?いや もっと長時間だったかな?時間を持ち余してしまった。ホームからは「ちゃーあいぃ〜」とチャイ売りの符丁が聞こえてきます。低い声でうなる様に「ちゃあぁいぃ〜」といいながら売り子さんが(オジサンだけど、、)ホームを行ったりきたりする。なんだか日本の「石焼芋」の売り声に似ていて笑えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ホームに出て売り子さんにチャイくれーと伝えると、「持ってくるから、待っててくれ」というジェスチャーでホームの先に小走りに消えて行き、直ぐに素焼きの植木鉢みたいなコップに入ったチャイが届いた。値段は忘れたけど、ほんの数十円だったと思う、、、。
コップに口を近づけると、、不思議な香りがする。なんだろう?スパイスの香りではなくてコップから漂う田舎の香り。古い言い回しだけど「田舎の畑の匂い」ちょっと「シモの香りだ」このコップの土って何で出来てるのか疑問だったが、気にしないでいただく。チャイは甘くスパイシーで旨い!熱々でゆげがったていて、分厚いコップからじんわり暖かさが伝わってくる。

言い忘れたけど、この旅行は正月休みを利用した12月下旬から1月7日くらいまでの一週間の旅行です。南の国のイメージのインドですが、北部ということもあり大陸気候でしょう夜はしっかり寒くて昼よりかなり冷え込みました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
飲み終わったコップを売り子さんに返すと、、(売り子さんは日本人が珍しいのか私の傍から離れない、、)ホームの下の線路を指差して「捨てろ」というジェスチャーをする。「?はてな」暗い中、目を凝らしてよく見ると線路には粉々になった素焼きのコップでいっぱいだ!
なーるほど、素焼きだから線路に投げ捨てて時間と共にまた土に戻る訳だ!さすがインドの知恵。そうなのですコップはほんの一時だけ持てばよい様な簡単な植木鉢の様な物だったのです。